戦争体験談

水戸での面会

水戸でのご飯は、黄色い粟飯だった。磐田のこうりゃん米よりやわらかく美味しかった。また時々、甘味品(饅頭、お汁粉)の支給品があった。
磐田のように古兵による横取りもなく、いじめイビリもなく自由時間もあり、わりとのびのびとしていた。そのため磐田でのようなホームシックにかかるような事もなかったが、十一月初め頃父と母が面会に来た。

 

父は六月磐田での面会で私の幼稚な様を見、心配で秋の取入れを終えるなり母と来たのだと思われる。今度は小豆付のかい餅を持ってだ。
この時は上等兵に進級しており、入隊後半年あまりで軍隊慣れか、要領よく申告を終えてきたので父母は安心したのだろうか、面会所に入るのをにこやかな顔で迎えてくれた。この時のかい餅のうまかった事、言うまでもない。