戦争体験談

中部一二九部隊

私は特幹一期生として入隊した。
入隊初日はまず軍医による問診にX線その他の身体検査があり、入隊取り消しとなって帰される者が数名いた。まわりを見ると私より四、五才上まで年齢差があり、体格も大きく中には軍服に二等兵の階級章をつけた人もおり、すごい威圧感を受けた。
私の所属した五中隊四百十二名のうち、三分の二位の人が中等学校を卒業してきており、中学三年修了者で、昭和四年生まれの者は私を含めて六名であった。
各班五十名程で八班に編成され、私達昭和三、四年生まれの若年者は第一班であった。
後日の訓練、成績では、我が第一班は通信技術以外はいつでもピリであった。入隊前、学校での軍事教練三、四、五年間の差は歴然としていたのである。